2025/07/26  
PC FANの話

PC FAN

最近はあまり自作PCなんて作る人少ないので興味ないと思いますが、マイナーだけど良さそうな商品だったので紹介。

PCを24時間つけているのですが、エアコン付けていない時も付けっぱなしで、夏場は結構温度上がるので冷却能力強化のためにPCケースFANを交換することにしました。
現在はNoctuaのNF-S12-800を常に全開で回しています。ただこのファンは静圧が良くないので、フィルターをかましている関係上もっと静圧が高くて回転数が高いものが欲しいと思っていました。
現状でもCPUやグラボは40℃、37℃で運用できているのですが、チップセットが57℃とちょっと高めの温度なんですよね。ここをもうちょっと下げたいなと。

候補に上がったファンは

Noctua NF-P12 redux-1700 PWM
ファンは正面から見て隙間が少ない方が(同じ回転数なら)静圧が高いです。静圧とはヒートシンクなど抵抗になるものがあっても空気を押し出していける能力のこと。隙間が多いと反射した空気が隙間から抜けてしまうからね。
逆に羽を立てると風量は増しますが、羽の枚数が同じなら隙間が増えるので静圧は低下します。羽の枚数を増やせば、隙間が減って、静圧も風量も稼げますが、風切り音が増加してしまいます。各社そのあたりを考慮しながらバランスを取っているのでしょう。羽の枚数は9枚か7枚が多いようです。

でこのNF-P12 redux-1700 PWMは外見通り静圧が高いです。。。これが第一候補だったのですが。どうも軸音が大きいようなんですよね。。。と言うことで脱落


Noctua NF-A12x25 PWM
で、次に目を付けたのがこれ。現在12cm最強と言われているものです。軸音が全くせずに純粋な風切り音だけがする。高いだけのことはある。reduxより静圧が劣るが、最高の静けさならこれにするか・・・と思いました。が、ド定番なので、買っても面白くないし、「みんなと一緒は嫌だ!」と思ってしまう。だが優れているからみんな買うというのもまた真理。


Corsair RS120 MAX 120mm PWM

買ったのはこれ。これは通常の2.5cm厚でなく、3cm厚となります。スペースは取りますが、その分静圧と風量に優れます。

NF-A12x25 PWM:静圧 2.34 mm H2O, 風量 102.1 m3/h, 2000RPM, 22.6dB

RS120 MAX  :静圧 4.2 mm H2O, 風量 72CFM(122.4 m3/h), 2000RPM, 29.5dB

騒音値は測定条件が同じか分からないので参考になりませんが、メーカーが言うには磁気ドームベアリング搭載で優れているとのことです。この磁気ドームベアリング、磁気浮上とのことですが、「摩擦と機械ノイズを最小限に抑え」とか「ファンの寿命が延びる」と表現していることから、完全な磁気浮上ではなくどこかが接触していのだと思われます。それでも通常40000時間のベアリングファンの寿命を200000時間にしていることから効果はあるものだと思われます。Noctuaのfanが150000時間なのでそれより優れていることになります。 メーカーは「磁気ドームベアリングは流体軸受けよりも静か!」と謳っていますがどうでしょうか。世評ではRS120 MAXはNF-A12x25 PWMほど静かではないとのことです。

他の特徴としては液晶ポリマーを使っているところでしょうか。音響特性の良い液晶ポリマーを使うことで、羽の振動音を抑える仕組み。ただ、Noctua NF-A12x25 PWMにも液晶ポリマー使われていますし、TOUGHFAN 12など他のfanにも使われているので専売特許と言うほどではありません。高価なFANに使われることが多いようです。

世評ではNF-A12x25 PWMの方が静かのようですが、静音性で劣っていても静圧と風量では明らかにRS120 MAXの方が優れていますし、全開で常に回すわけでもないし、同じ回転数ならRS120 MAXの方が冷えるだろう。それにNF-A12x25 PWMを買っても磁気浮上ベアリングが気になって結局RS120 MAXを買ってしまうだろう。

ということでこちらを買ってみることにしました。






・・・・・・・で実際にPCに取り付ける前に裸の状態で回してみたのですが、風量がすごい。扇風機か?ってくらい風量がある。そして風切り音がすごい。棒を振り回すとブンブン音が鳴るけどあれが連続的になっている感じ。全開だからしょうがないけど、許容できないうるささ。ただし、風切り音はするが軸音は一切しない。さすが磁気浮上だ。

次にPCケースに取り付けてみました。構成は
フロント:RS120 MAX ×2(フィルター×2)
リア下:RS120 MAX ×1(フィルター×1)
リア上:RS120 ×1(フィルター×1)

と言う構成です。リア上がRS120なのは直前にHDDベイがあり干渉してRS120 MAXが入らないからです。また、ケース内を負圧にすると隙間から埃を呼び込むので、通常はフロントファンのみを動かして、温度が上昇した時のみリアファンを補助的にゆっくり回すようにしています。これでケース内は常に正圧に保たれ、フィルター越しの空気が入るようになるので、埃の蓄積が少なくなります。リアのフィルターは、絶対に負圧にならないよう抵抗として入れています。これならフロントのフィルター1枚でリアのファンはフィルター無しの方が効率良い気がしますが、フロントの2枚目のフィルターにも埃が結構蓄積するので、ケース付属のフィルター1枚ではちょっと心許ない気がするんですよね。もっともフィルター×2でも埃は蓄積してしまうのでどこまで許容するかの違いでしかないのですが。現状ではこの構成で冷却できているので良しとしています。


それでPCに装着してファンコントローラーでフロントのRS120 MAXを800RPMまで落としてみましたが、この回転数でも風切り音が僅かにします。これは誤算でした。ケースの前面蓋を開けたままだと1mくらい離れててもわずかに聞こえてきます。このファンをほぼ無音レベルにするには600RPMまで下げる必要があります。ただし、ケースの蓋をすると、800RPM程度でもほぼ無音運用できるようです。

個人的には800RPMで無音になるものと思っていたので、非常にがっかりした点です。これはどうやら羽形状に起因しているようで、下のPCファンの紹介動画を見ていると、羽面積が大きくて静圧重視のファンは風切り音が大きめに出るようなんですよね。



PCファン紹介動画

Noctuaのコスパに優れたケースファン「NF-P12 redux-1700 PWM」とNF-A12を比較してみた。reduxモデルの実力とは?

Phanteks T30-120 Fan Review - Noctua NF-A12x25を超えた?冷却性能をとことん追及した究極のファンの実力とは。

Noctua待望の黒いケースファン「NF-A12X25 PWM chromax.black.swap」と人気の12センチファンを比較してみた。12センチ最強のケースファンはどれ?



これらの動画では
Phanteks PH-F120T30Noctua NF-P12 redux-1700 PWM
も風切り音大きめです。

RS120 MAXは羽形状はPhanteks PH-F120T30に似ていますが、風切り音はNF-P12 redux-1700 PWMに似ている感じですね。

Noctua NF-A12x25 PWMのように羽形状を細くして、静圧を稼ぐために羽の枚数を増やす設計の方がトータルでは静かになるのかな・・・



と言うわけでRS120 MAXの静音性にはがっかりしてしまったのだが、冷却性能は捨てたものではない。

日が違って気温が厳密に一緒じゃないが、エアコンなし状態、気温31度くらいで600RPMで運用してもNF-S12-800(800RPM)よりもチップセット温度が61℃から57℃と3-4℃くらい低下ている感じです。現状では800RPMで運用していて、その条件で以前より6-7℃低下している感じなので、条件の誤差を考慮しても冷却能力は確実に上がっていると言って良いでしょう。800RPMで運用しても、フィルター2枚かましているのにケースの後ろから空気が流れるのが分かる感じなので、低回転域の静圧力もかなりの物ですね。
上で「(交換前は)CPUやグラボは40℃、37℃で運用できている」と書いたが、現状CPUで33-35℃、グラボで30-33℃くらいで運用できているので、気温差による誤差を考慮しても明確に下がっています。


では、RX120 MAXの総評をすると、このファンは800RPMでも僅かに風切り音がするところが唯一許せないところだが、ケースの蓋を閉めれば、800RPMでもギリ無音で運用できるし、その静圧力と風量には絶大な信頼感がある。磁気浮上で軸音は一切聞こえないし、液晶ポリマーを使った羽や全体の質感も良いもの感がある。

モノ自体は良いのだが、静音性最優先のオーディオ民的には、裸の状態で600RPMでないとほぼ無音状態にできないというのは非常に使いにくいので、お勧めはしにくい。まずNF-A12x25 PWMを試して、それで冷却能力に不足を感じた時に初めて選択肢に入るファンと言う感じかな。RX120 MAXはあくまで冷却重視のファン。 ただし、RS120 MAXを既に買っているなら、わざわざ金掛けて買い替えるほどではない。ケースに入れれば800RPMまでならほぼ無音運用できるし、音楽を聴くだけなら、これ以上の回転数になることはないからね。温度を気にしなければ600RPM運用でも構わないわけだし、個人的には「まぁ、ええか・・・」と言う感じで使っている。






NF-A12x25 FLX レビュー


今までNF-S12-800をアンプ冷却用に使っていましたが、800RPM程度で風量が足りない感じなので、NF-A12x25 FLXを買ってみました。 FLXなのは手持ちのファンコントローラーがPWMでなく電圧制御タイプだから。
PCに組み込んでいないのでRS120 MAXとの厳密な比較はできませんが、概ねの雑感を書いていきます。


付属品の
NA-RC15:Low-Noise Adaptor (L.N.A.)
NA-RC13:Ultra-Low-Noise Adaptor (U.L.N.A.)
で1700RPM、1350RPMで駆動できます。


軸音はわずかにする。ジーと言う感じの音。(U.L.N.A.)を使用した1350回転時はほぼ気にならず、(L.N.A.)を使った1700回転時場合は結構聞こえる。ただそれも耳を数センチ近づけた位置での話で、20cm離せばもう聞こえない。
PCでは回していないので回転数は分からないのだが、5Vで駆動した場合、大体1000回転くらいだが、それで5-7cmも離せば軸音は聞こえなくなる。
NF-S12-800が10cmくらい離さないと軸音聞こえなくならないので、NF-S12-800の軸よりは優れているのだろう。
ただ、RS120 MAXを体験しちゃうとね・・・RS120(無印)はわずかに軸音はするが、こちらは磁気浮上なだけあって、RS120の方が優れている。RS120 MAXに至っては全く軸音はしない。

風量もRS120 MAXを体験しちゃうとかなり物足りなく感じる。
スペック上は102.1 m3/hと122.4 m3/hと2割くらいの違いなのだが、体感上は2倍か3倍くらい違うかな?という感じがする。静圧が圧倒的で体に当たった時の圧力が違うからだろうか?
RS120 MAXは扇風機か?ってほどの風量だったけど、 NF-A12x25 FLXはそこまでじゃなくPCファンの域を出ていない。静圧が低いから遠くまで風が飛ばないのかも。



NF-A12x25 FLXを使ってみてどうだったか?と言うと期待が大きすぎたのか、肩透かしを食らう結果になった。
RS120 MAXにも不満たらたらだったのだが、こいつが如何に優れているのか見直す結果になった。

RS120 MAXは風量、静圧、軸音の無さではNF-A12x25 FLXよりも明らかに優れている。軸音は全くせずに純粋な風切り音だけがする。その風切り音がでかいのだが・・・
RS120 MAXの欠点はもちろん風切り音。800RPMでも風切り音がする。2000RPMだと轟音がする。裸の状態でほぼ無音にするには600RPMまで落とす必要がある。600RPMまで落とせばNF-S12-800(800RPM)と同等レベルの音量になる。

個人的にはこの風切り音がどうしても許せなかったのだが、NF-A12x25 FLX使ってみて、これなら温度上昇を妥協してRS120 MAXを600RPMで運用するのもありじゃね?と言う気がしている。それでもNF-S12-800よりも冷えるわけだし。回転上げたときにうるさすぎるから、裸では使いたいと思わないけど。

今回NF-A12x25 FLXはオーディオ冷却用に買ったのだが、フィルター噛まさずに裸で使っているので、それならNF-S12 FLXの方が良かったかも1200RPMで107.5 m3/hでNF-A12x25 FLX以上の風が出せる。それでいて騒音値は17.8dBと22.6dBのNF-A12x25 FLXよりも4.8dBも静か。裸で使うのが目的だったからNF-S12 FLXの方が良かったかな・・・

NF-A12x25 FLXはそこそこの静圧、そこそこの風量、最高ではないが高い静音性とそのバランスが支持されているのでしょう。NF-A12x25 FLXは全開で回した時もRS120 MAXより全然静かなのでPCケースに入れたら全開でもそれなりに静かなんじゃないかな。
RS120 MAXは全開にするとケースに入れて1mくらい離れているのに裸の状態のNF-A12x25 FLXよりもうるさい。
じゃあNF-A12x25 FLXは回転落とせばめちゃくちゃ静かか?と言われると1000RPMでNF-S12-800(800RPM)よりちょいうるさいくらい。NF-A12x25 PWMモデルでこれより回転落とせたとしても、軸音や風切り音は動いている限りするのでNF-S12-800と大差ないレベルに収まるでしょう。いや、羽の枚数が多い分、NF-S12-800よりもうるさいかもしれない。つまり静音性の下限自体は他の静音ファンと比べてそこまでの差はないかなと言う感じです。それでも回転を上げた時に、回転の割には静音性は高いと感じます。その代わり風量は回転数の割に控えめに感じます。回転あたりの風量はNF-S12-800と比べるとやや落ちるかも。



分かりやすく点数で言うと

NF-A12x25 FLXは静音性90点、静圧80点、風量80点と言った感じで、たぶんどこに使っても大きな欠点は露呈しないタイプ。最強と言われているが、一つ一つの項目を見るとどれも最強と言える感じではない。このファンに対して評価がちょっと辛くなっているのは評判を聞いて期待が大きすぎたというのもあると思う。それでも、誰が使っても満足できる性能なんじゃないかと思う。



RS120 MAXは静音性50点、静圧120点、風量120点と言った感じ。メーカーの謳い文句である「磁気ドームベアリングは流体軸受けよりも静か!」と言うのはまさにその通り。だが、静圧と風量に振りすぎて、風切り音が大きく、静音性が犠牲になっている。裸の状態でほぼ無音運用できるのが600RPM程度と静かに使えるレンジが狭い。だから使いにくくて磁気ドームベアリングも宝の持ち腐れ感がある。3cm厚、磁気浮上ベアリングで、もうちょっと静音に振った設計にするとNF-A12x25シリーズを追い落とせる製品になる。ていうかそういう製品出してくださいよ〜



RS120は静音性30点、静圧100点、風量120点。
2.5cm厚で3cm厚のMAXの静圧、風量を求めた結果、とにかくうるさすぎる。RS120(1500RPM)でRS120 MAX(2000RPM)と同じくらいの音量。超轟音。基本無音で使いたければ450RPM、ちょっと音出ても冷却したい時でも900RPMくらいが快適に使える範囲。まぁ、厚さ3cmで問題ないならRS120 MAXを買え。厚さ以外すべてにおいてMAXが勝る。あとスペック上はほぼ同じ静圧なのだが、なぜか同じフィルター噛ましているのにMAXの方が風が抜けてくる。MAXと同じ磁気浮上ベアリングなのだが、こちらは僅かにジジッと何かに接触するノイズが聞こえてくる。それでもNF-A12x25 FLXやNF-S12-800のFDBよりは静かではあるけど。
ベアリングは精度が悪いのか個体差なのかは分からないが、RS120 MAXは3台とも何も問題なかったのに、RS120だけ僅かに音がするんですよね。ベアリングは個体差だったとしても、とにかく風切り音がうるさいのでやっぱりMAXのほうが良い。
私のようにどうしても2.5cmでないといけなくて、メーカーがコルセアでRS120 MAXシリーズと統一したいとか、2.5cm厚ファンで静音性は犠牲にしてでも静圧・風量に全振りしたのが欲しいという場合以外は買う価値なし。
メーカーにこだわりがなければ、NF-A12x25シリーズの方が幸せになれる。






NF-A12x25 FLX



NF-S12-800



倒れないようL字金具を両面テープでくっつけてスタンドにしています。NF-A12x25 FLXは側面が平面でなく4隅のゴムの防振パッドが付いてたところは凹んでいるので両面テープを2重にして凹みを埋めていなす。ファンの底面はフローティングされていて、床面に振動が伝わらないようにしています。直置きすると振動が床面に伝わって結構うるさいんですよね。



設置した状態はこんな感じ。アンプの横から風を流してアンプの上面と床面の空気が温まらないようにしています。アンプの上から直接内部に空気吹き込んだほうが確実かなと思うのですが、その場合左右でファンが必要なんですよね。その場合、内部が埃だらけにになるのでフィルターも噛ましたい。そういう使い方なら静圧に優れたNF-A12x25 FLXの能力が生きるかな。








NF-A12x25 FLXしばらく使ってみましたが、これは良いファンですよ。1.5mくらい離れてて、おそらく1400RPM付近だが、それでほぼ無音運用できるし、回転数が高いのでNF-S12-800よりも風量が良い。何も不満なく使えてます。
最強ではないけど、性能バランスの良いファン。次買う時も安心と信頼のnoctuaにしちゃうかな。今はNF-A12x25 G2が出ているからそっち買うと良いかもね。